酒は飲んでも以下省略





何故こんなことになったのか。ガルデンは頭を抱える。

旅の途中、よい酒を見つけた。
条件反射で酒をのめるようになった戦友を思い出す。
土産として入手してしまった以上は届けるべきだろう。そう思って彼の国へ足を向けた。
珍しい来訪に戦友ーアデューは喜び、国王の仕事も放り出す勢いで歓待しそうになったものだ。尤もそれではこちらも気分が悪いので、「夜まで絶対に姿を消さない」と約束して尻を叩いて仕事に戻らせたが。

夜になって、自分の客間に姿を現したアデューと酒を酌み交わし…
そして今、二人とも一糸纏わぬ姿で同じ寝台にいる。


はっきりいえば、掘られる体験は初めてである。そして相手には奥方がいる。
色々な背徳感でガルデンは混乱の極みだった。

と、そこへ。

「ふあー…あ、オハヨーガルデン」
…実に呑気なアデューの声だった。

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「お、お前一体どういうつもりだ…?」
「どういうつもりって?」
きょとんと大きな目が見開かれる。こういう所は壮年になっても変わらない。うっかり出会った頃を思い出してトリップしかけるが、そんな場合じゃないとぶんぶんと頭を振るガルデンを見て、アデューがたまらず笑う。
「何百面相やってんだガルデンwww」
「この状況をおかしいと思わんのか!!!」

男同士だし、恋人などという甘い関係になった覚えは皆目ないし、双方そんな趣味はなかった筈だし、間違ってもこの事態が正常であるとは思えない。
そんな実に常識的なガルデンに、相変わらずアデューはきょとんとしていたが、暫くするとぽりぽりと頭をかいて遠慮がちに上目遣いになる。

「えっと、お前もしかして、嫌だったか?」
「い、いや私は別に嫌ではなかったが」

反射的に言って、自分の言動に赤面して沈黙する。おいおいちょっと可愛いんですけど、と相手が内心焦っているとは気がつく筈もない。

「いや、お前ってスキンシップすると反応が可愛いんだよ自覚ないだろうけど。んでそれ楽しんでたら、ココが反応しちゃってさ。酒のせいもあるかもしれないけど。」
と股間を指差してきまり悪そうに笑う。
「騎士道大原則!ひとーつ!騎士は自分の体に正直であらねばならない!!!」
「騎士はまったく関係ない!!!!!!」
…アデューの照れ隠しに律儀に突っ込むガルデンだった。

「でも、嫌じゃなかったとは嬉しいなあ♪俺目が覚めたらお前に殺されるかもなーってちょっと思ってたから」
「…そんな感じは全くなかったが…?」
なかなか好き放題やってた昨夜のアデューを思い出してそうつぶやくが、同時に自分のあられもない痴態も思い出す。自分でも随分と何というか…曝け出したものだと思う。
「エルフや魔族に比べると人間の性欲って絶大らしいから、そう思うのかもしれないぜ」
にっかり笑って抱き寄せられたガルデンは、アデューの股間をモロに見て目を見開く。どう見ても戦闘態勢のそれにとっさに反応できない。

「嫌か?」
「…お前が相手なら、嫌ではない」
腕の中で伏せ目がちに赤面しながらそう言われて、反応しない男はまずいない。アデューはごくりと生唾を飲み、そろそろと手を上げて口付けようと顔を向けさせた。視線が正面からぶつかり合う。

「だがパッフィーはどうなのだ?」
「…ッ!今それを言うかああああ!????」
「いや最重要課題だろうが!」
どこまでも良識的なガルデンである。まったくの正論なのでアデューも頭をばさばさかき混ぜて高ぶった劣情を霧散させようと必死だ。

「うーん、まあ大丈夫だと思うんだけどな」
「…大丈夫、とは」
夫の男遊びに寛大な妻など存在しないと思うんだが。 と口に出さずに目で言うガルデンである。
「いやパッフィーはお前が俺を大好きなの知ってるから、ある程度は許容してくれると思うし。まあ今回はある程度を超えた気はするんだけど、多分勘付いても尋ねてこないとは思うなあ」
最初の一言でトドメ刺されて絶句してるガルデンに気づかぬふりでアデューは続ける。
「俺はこの一件に関しては尋ねられたら正直に言うけど聞かれなきゃ絶対言わない。これって聞かないでいればそれで済むことだと思うんだよな。ほかの女性がどーだか知らないけどパッフィーは勘もいいし頭もいいし、多分黙ってくれるよ」
「…この状況で盛大な惚気を聞くのもおかしな話だが、要するに私はいつ何時パッフィーに笑顔で刺されても不思議でない立場になったということか…」
「ま、まあそうともいう。」

要はガルデンにとっては世間的な問題は何一つ解決してないが、この夫婦はそれを全て解っていて笑顔で接してくるということだ。怖い怖すぎる。
盛大にため息をついたガルデンに、アデューがわたわたと慌てている。

「…まあそういうスリルも悪くない」
にやっと笑ってそう言うと呆気にとられたアデューの顔がある。
「へ?それって、もしかしなくても?」

「こういうのが続いてもいい、ということだ」


破顔一笑したアデューが抱きついて第二ラウンドが始まったお陰で国王が盛大に寝坊という事態になり、色々騒動が起きるのはまた別の話。



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この先ガルデンは酒を買う度に色々逡巡して悩むといい。


実はかなり早い時期に書き終えてました(笑)4月にハマったのにファイルの日時見たら5月に書き終えてるよ。いやはやはまりたて暴走って凄まじい!
最初この朝チュン形で、後で本番の方も書いてみたけど無駄にダラ長かったのでやっぱこれでいいやと思った。というか、最初は確かにアデュガルだったのに後半は最強夫婦が楽しくていけなかったんだ。本番入れたら後半テイストが薄くなるのでならエロいらねえ、みたいな。

この頃はまだそんなにキャラ考察定まってなかったんで、割と原型みたいな形になってますな。…まあそんなに別物にもなってませんが。

うちのアデュガルは99%「行き過ぎた友情と行き過ぎたスキンシップ」です。保護者意識という設定が出てくるのはこの後ホームドラマ設定で遊んでいた時です。つかガルデン無意識で色気出すからマジ危なっかしいよ。ただ普通の不埒者は容赦なく撃退するから本人特に脅威に思ってない。その油断が相手がアデューその他の仲間だとこうなったみたいな…(笑)まあ何か催淫効果のある酒だったんじゃないかと自分で書いてて思ったりするアデューさん突っ込み所。

アデューだったらこんな場合でも悪びれずに堂々と二号さんにするだろう(おいおいおいおい)から大丈夫(何がだ)だろうとか。(一応世間体くらいは学んでて欲しいので表向きは秘密の関係にしてほしいが(笑)) 騎士道大原則!騎士は自分の行動には責任を持たなければならない!みたいな! そしてパフはもっと最強なんだとか。そんなイメージ。(どんなイメージ…)

ともあれ「何かが違う…」と頭が痛くなるテイストが私のホモカプなので、色々間違って正解なのです。(開きなおる)